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​育てるルーティーン、踊るわたし

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育てるルーティーン、踊るわたし

2023.1.27[金]- 2023.2.12[日]

会場:Art Center Ongoing https://www.ongoing.jp/tag/video/sodateru/

●2月4日(土)15:00-
パンが焼けるまで、あなたの育てるを聞く。
ゲスト:犬飼沙絵・ 地主麻衣子
1,000円(1Drink+入場料)
愛や欲望といった様々な感情に焦点をあてた、繊細かつ大胆な映像作品を制作する地主麻衣子さんと、「よしおかさんち」という家族5人の表現ユニットを組み「千のおうち」という場を作るプロジェクトを進行中の犬飼沙絵さんをお招きして、それぞれの考える「育てる」について「感情」・「場」をキーワードにパンが焼けるまでお話します。
*最後に焼きあがったパンをみんなで食べます。

hanageは、青木真莉子・秋山幸・戸田祥子の3人のアーティストコレクティブです。

たわいもないこと、地味だけど欠かせないもの、そんなことに注目したいという思いから、hanageと名付けました。生きるために必要な毎日のことと、創造することの関係に注目したイベントや展覧会を、企画実施しています。​

今回、hanageは「育てるルーティーン、踊るわたし」というタイトルで展覧会を作ります。ルーティーンは日課、規則性を持って繰り返される行為。目的に向かってよりよく、よりスムーズに、より心地よく。かたや、ルーティンの狭間で、ほとばしる感情、感覚、想像、そして踊り出すわたし。3人の異なる視点で、時に混じり合わせつつ、展開します。

We named our group "hanage" because we wanted to focus on the trivial, the unassuming, but essential. We plan and carry out events and exhibitions focusing on the relationship between the everyday things we need to live and create artwork. This time, we will create an exhibition titled "The routine of nurturing, I’m Dancing". Routine is a daily routine, an action repeated with regularity. It is better, smoother, and more comfortable in swift progress toward the destination. The three artists' different perspectives, sometimes blended with each other, will unfold. On the other hand, in between the routines, feelings, sensations, imagination, and I start dancing.

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育てるルーティーン、踊るわたし

7年前の結成時は生活する上で共通点が多かった3人だが、今では住む場所も生活のリズムもガラッと変わった。3人にはそれぞれ違う生活のルーティーンがあって、その隙を縫うようにパソコンの画面上で、私たちは話す。とりあえず、近況を確認、元気にしていますか?

 

そんな私たちは、だいたい何かを育てている。違う場所で、違う誰かと、違うものを育てる。育てる、というのは時間がかかる。継続的な関わり。ツヤツヤに育てたいのに、ガサガサになってしまうこともある。どうしたらいいのか考えて、水の量を調節したり、栄養を変えたりする。些細なことだけど少しづつ少しづつ、それが繰り返されて、毎日の日課になる。ルーティーンが先か、育てるが先か、わからないけれど、両者は絡み合いながら、長い時間をかけて、引き伸ばされたり、切り刻まれたりしながら、練り上げられていく。

 

そんな風に出来上がった全く異なる3人のルーティーンも、外に出られなくなったり、戦争が起きたり、物価が上がったりと、時に共通の出来事で崩れる事もある。加えて、もっと別に考えなきゃいけないことが現れたり、そういうたくさんの出来事に合わせて、変形するのだ。リンボーダンスのバーがどんどん下がってくるみたいに、隙間が小さくなっても、体をぐにゃっとしたら通り抜けられる。柔らかくアメーバみたいに、踊るように。


 

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青木: 私たちには感情というものがある。そして日々、身体の中で、感情という他人にはなかなか見えないものをせっせと育てている。怒り・悲しみ・喜び・愛・憎しみ・笑いなど、感情は人それぞれ多種多様。成長の速さも、数も形も色も違うでしょう。目・耳・鼻・口・皮膚から飽きもせず情報という栄養を吸収しては、感情を育てるルーティーン。そして一生懸命育てた感情に私たちは踊らされる。ピエロか?なんなのか、あるいは、踊りたいから踊ってるのかもしれない。  結局のところ、育てる行為はどこまで意識的に行われるのか、どこから無意識に行われるのか。それはとても主観的な行為のようで、実に客観的な行為なのではないだろうか。 今回は感情を育てることについて、「愛」に注目した映像・衣服などの作品を発表します。

秋山:コロナ禍の習慣により、”Stay home”をどう充実させるかということに意識が向いている。子供と手作りパンを作ってみる、朝ヨガ、ファスティング、新しいPCを買うなどなど。家にいるからといって、生活が停止するのではなく、より良い生活をすることについて考え初め、順応していった。コロナが収束してきた今でも、その習慣が身につき、よりヘルシーに無駄なく物事を考え行動するようになってきた。 我が家の娘は現在6歳、小学校1年生。彼女にとって、私がのめり込んでやりたいことがあろうが、母親に違いない、待ってくれない。彼女を育てながら一緒に毎日をこなしていけるようになるには、時間通りに動くことが最も大事。ルーティンを習慣づけ、先読みをしながら自分と家族の体調管理をしていく。 そんな私にとって毎週木曜日のズンバクラスは、生活の機動力になっている。体を動かすことは、筋肉と思考にポジティブな効果が現れる。ダンサーになるつもりはないが、うまくなりたい、美味しいご飯を作りたい、落ち着いて物事が考えられる、作品に向き合える。今日は生涯の1日なり。今日も私は踊る。 

戸田:みかんは剥くとタコになる。8本足になるように剥くのは結構難しい。冬は割と毎日みかんを食べる。たこになったみかんの房を、順番に平らげる。タコが、自分の足を順番に食べて、最後には消えて水槽の水の澱みになってしまうという小説をいつも思い出す。 タコは、お腹が減りすぎたからそうしたらしい。水槽にいるタコは誰かが世話をしないと、餌を食べられないよなあ、と美味しいみかんを食べながら思う。タコを諦める、と、タコを育て続ける、の間には、きっと果てしないたくさんの所作の積み重なりがある。でも、着替える時に洋服が裏返えってしまうみたいに、ふとしたことで、存在はポジからネガに反転してしまう。その表裏一体がすごく恐ろしい、でもそれゆえに尊くもあるんだろう。オンゴーイングの空間にタコの足の影が現れて、何かになろうとするみかん、転がる人間、深呼吸と、日光、ごみ出し、いろいろな要素が空気中を舞うチリのようにキラキラしながら、同時に生存する光景を作りたい。

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